働きやすい社会めざし労働者の権利守って活動
信頼される奈労連
中小零細企業が多く、労働組合に入っていない未組織労働者や非正規労働者が多い奈良県で、奈良県労働組合連合会(奈労連、井ノ尾寛利委員長)は労働者の権利を守って活動しており、まさに労働者のよりどころとなっています。また、労働者の賃金をあげ、働きやすい職場にしてこそ企業の業績もあがり地域経済も活性化すると、今年の最低賃金審議会に向けて最賃を時間額1000円にとの取り組みを始めました。一方、経営者団体などと懇談を重ね、奈良労働局に労働基準法の順守などを申し入れる活動を展開しています。
真の国民春闘にしようと取り組まれた春闘共闘会議、奈労連の自動車パレード(2月23日)
奈労連にはひっきりなしに電話相談がかかります。賃金引き下げや不払い、解雇、有給休暇の取得、パワハラなど内容はさまざまです。
「最近は福祉関係者からの相談やパワハラの相談もありますね」と話すのは、奈労連の竹末和美事務局長です。
組合加盟で申し入れると逆に賃上げ実現
大手ショッピングで働く30代半ばの女性派遣労働者は、業績悪化を理由に月額2万円以上の賃下げを言われました。ある役所で奈労連を紹介され相談に来ました。さっそく1人でも入れる奈労連一般労組に加入し、派遣会社に申し入れると、会社側から逆に賃上げが提案され、女性は「1人では聞いてくれないのに組合が言うと何でこんなにすんなり実現できるのですか」と驚きました。その女性は労働組合や労働法基準法などを学び、他の人にも知らせようと活動を始めています。
奈労連があるからたたかえる!
竹末さんは、このようにすんなりいくことは少なく多くが争議になると言います。
大和郡山市にある自動車整備協同組合を解雇された湯気谷圭司さんは、2年に及ぶ不当解雇撤回闘争を最高裁までたたかって、ついに解雇撤回を勝ち取り、この2月に職場復帰しました。
奈労連一般労組マロン支部は、賃金未払いなど違反を繰り返す会社側に地労委や裁判でたたかっています。2月20日には地労委が組合の申し立てを認め、未払い賃金の支払いや組合員の職場復帰などの救済命令を出しました。これらの組合員が共通して話すのは「奈労連があるからたたかえる」ということです。
働きやすい社会へ経営者団体と懇談
竹末事務局長は「生活がかかる労働者は、非正規ではなく長く安心して働けることが大事です。働く人が生活して地域経済を支えるのですから、企業は賃金や雇用に社会的責任を果たし、国は最低賃金の引き上げや中小企業支援を強化すべきです」と話します。
それだけに、企業が一番活動しやすい日本をめざすという安倍内閣の労働法制の改悪は阻止しなければと強調します。
奈労連は、バス協会やトラック協会など経営側とも懇談しています。
「規制緩和で労働者にしわ寄せされ、運転手に若い人のなり手がないと悩みが出されています。業界のあり方を真剣に考えているようすがうかがわれました。中小業者には優れた製品を作っているところも多く、労働者を守ろうと取り組んでいる企業もあります。そういう企業がけん引してほしいと要望しました」と話します。
最低賃金引き上げを大阪と209円開き
奈労連は、最賃が奈良の710円と大阪の819円に200円以上差があることを重視。今年は春闘の時期から署名に取り組んでいます。
奈良県春闘共闘会議、奈労連、働くもののいのちと健康を守る奈良県センターは共同で20日、奈良労働局(荒川あや子局長)あて「安全・
安心、人間らしく生き、働くことができるように労働基準法の遵守、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現のために」と
題した申し入れを行いました。