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「奈良民報」提言

県民に莫大な負担を押し付ける
リニア誘致活動は中止せよ

 安倍内閣が閣議決定した骨太の方針「新成長戦略」で、「更なる都市の競争力の向上と、リニア中央新幹線などの高速交通ネットワークの早期整備・活用」を明記しました。
 県内では、「奈良県にリニア新幹線を!」の運動が展開され、新駅の誘致合戦も、「ど真ん中駅、大和郡山へ」、「一直線に、天平の都へ」、「生駒だからできる、東京−奈良を最速66分で」と活発です。リニアが県の発展に「夢」をもたらすのでしょうか。

 国で審議されてない 需給見通しや採算

 リニア誘致推進を目的に、県内33市町村長や県議などが「『奈良県にリニアを!』の会」を結成し、県商工会議所連合会などの経済団体も、全線が同時開業すれば、奈良・大阪・三重の3府県で、「年間1・5兆円、名古屋までの部分開業の効果と比較して1・7倍の経済効果がある」と宣伝しています。
 誘致のために組まれた2014年度予算は、奈良県500万円、奈良市1800万円、生駒市では
500万円の他にリニア試乗会費用として約50万円計上しています。
 しかし、肝心のリニアの需要見通しや採算性、環境への影響などについて、国会でのまともな審議が、「リニア建設はJR東海が行う民間の事業」だとして、行われていません。事業の実施の伴う環境への影響も、「トンネルの掘削で発生する残土の適正な処理、希少動植物の保護、大気汚染、騒音・振動対策など枚挙にいとまがない」(JR東海が国に提出した「環境影響評価書」に対する環境省の「意見書」)くらい、問題が山積しているのです。

 駅舎建設・運営にも莫大な県民負担

 リニアの建設費用9兆円も、当初JR東海が全額負担するとしていましたが、着工が近づくと、安倍首相は事業を「国家的プロジェクト」に格上げし、公的資金の投入を図ろうとしています。すでに来年度、JR東海への用地買収などにかかる支援(免税額)を184億円見込んでいます。
 JR東海がつくる「奈良市附近」駅には、切符売り場や待合室もありません。あるのはホームと階段・エスカレーター・エレベーター、改札口、トイレだけです。それ以外に必要な駅施設は地元負担が前提です。「建設費だけでなく、開業後の運営費も圧縮する」計画で、営業担当の駅員すら配置しません。駅のアクセス道路や駅前の開発など、関連する事業を含めれば、莫大な費用が国と地方に次々と押し付けられる仕組みとなっています。

 県の発展に寄与しない誘致計画

 リニア建設の狙いは、世界で一番ビジネスがしやすい都市づくりへ、「三大都市圏を高速で結ぶ」ことと、沿線地域での「三大都市圏とのアクセスの利便性向上」(交通政策審議会答申)と言いますが、本音は「日本の(大企業の)『稼ぐ力』を取り戻す」ことです(「新成長戦略」)。リニア誘致は、「もっと県内で働き、買い物してもらい、楽しんでもらいたい」という県の期待とは逆に、大都市圏への企業流出や県外消費が進む可能性があります。奈良観光も、県は「ゆっくりじっくりと楽しめる観光県」になると言いますが、リニアの駅ができたから観光客が増えるものではありません。
 県と市町村、経済団体は、県民や利用者に莫大な負担を押し付けかねないリニアの誘致活動を中止すべきです。
 


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