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奈良民報「提言」 
若草山へのモノレールは断念し

歴史と文化を生かしたにぎわいづくりを


奈良の観光を代表する若草山の景観

 奈良公園は、世界遺産「古都奈良の文化財」に代表される数多くの文化財、史跡・名勝と原始林の自然環境が一体となった歴史的・文化的風致景観を作っています。この地域での「にぎわいづくり」をどのようにつくるのかをめぐって、若草山へのモノレール設置計画などが議論されています。はたしてそれで、名勝「奈良公園」の価値が生かされ、保全が図られるのでしょうか。
 奈良公園が世界に誇れることに、天然記念物「奈良の鹿シカ」と、東大寺の大仏がまずあげられます。
 特別天然記念物に指定されている春日山原始林は、都市にありながら照葉樹林などの巨樹・巨木、寒地性植物群と亜熱帯植物群が共生する植物相を持つ森林として評価されています。隣接する若草山は、鹿の採食や山焼きで草原が維持され、春日山原始林と合わせ、美しい遠望景観を形成しています。

国内法でも認められないモノレール設置

 県のモノレール設置計画が、文化財や世界遺産の価値を破壊しないのか、奈良観光の活性化につながるのか、心配する声や反対の意見が広がっています。
 この問題での国会質問に、文科大臣が「(文化財保護法により)設置は文化庁長官の許可が必要」と答え、文化庁も「慎重に検討し、名勝の保存に支障がないよう適切に対応する」と答えています。古都保存法で許認可権を持つ奈良市長も「明確に反対する」と市議会で答弁しています。奈良市歴史的風土保存計画は「春日山、御蓋山、若草山等の丘陵とその稜線における建築物その他の工作物の新築等、土地形質の変更、木竹の伐採等」を規制し、「森林美の保存」を求めています。古都保存法では、国や県に「古都における歴史的風土が適切に保存されるよう」その任務を定めています。
 こうした法律などを適正に執行しようとすれば、知事の「国内法をクリアすればいい」という主張は通用しません。電気自動車を走行させるなどの代替案の検討も認められないのです。

自然信仰・伝統が息づく青垣の山々

 奈良公園の若草山、春日山原始林とその周辺のでは、特定の自然の山や森を神格化しようとした神道や仏教とかかわった宗教儀式や行事が盛んに行われてきました。
 春日大社の縁起では768年、白鹿に乗った神が常陸の鹿島から御蓋山の頂に飛来したとされ、以来、神の山として信仰されてきました。重要無形民俗文化財に指定されている春日若宮の「おんまつり」では、田楽・猿楽(能楽)・舞楽などの芸能が奉納され、東大寺二月堂の修二会(お水取り)は1250年余の間一度も絶えることなく続けられてきました。このような「心のふるさと」の地域に、「にぎわいづくり」の構想を持ち込むこと自体が誤っています。 

「地域益」を優先した上質な観光の追求を

 商業主義的な利活用が進めば、奈良観光のオリジナリティが失われ、結果として地域の人々の生活とのかい離を生み出します。必要なのは、奈良の歴史的・文化的景観で観光客をもてなし、上質な時間を過ごしてもらえる回遊・滞在型の「にぎわいづくり」を構築し発信することです。
「地域益」の観点から行政と地域住民、商工業、観光業などの関係者が相互に連携し、観光客の世代グループごとの目的にあった地域づくりや店舗構成などを構想し、「経済的価値」と「文化的価値」の維持・向上、地域内経済循環を進めることです。


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