2018年11月27日(火)
しんぶん赤旗奈良県ニュース 11月20日付け
悲しい思いの家族なくして
過労死等防止対策推進シンポジウム(厚労省主催・働くもののいのちと健康を守る奈良県センター協力)が16日、奈良市で開かれ、80人が参加しました。
三戸秀樹NPO法人大学院連合メンタルヘルスセンター代表理事が講演。ライフとワークのあり方について、労働者健康状況調査のなかでも5〜6割がストレスを感じる状況にあることなどを説明し、「働く者の負担となるものを評価する客観的指標の確立が必要」と訴えました。
ミニフォーラムでは、過労死で家族を亡くした3人の遺族が発言。平岡チエ子さんは、声を詰まらせながら、ベアリング製造工場で働いていた夫が死亡直前の51日間、休日がない状態で深夜交代勤務に従事していたと話し、別の女性は、父親が亡くなる8カ月前にコンビニ2店舗の掛け持ち勤務を命じられ、その間の休日は過労入院した4日間のみ、勤務中に意識を失い亡くなったと話し、「私たちのように悲しい思いをする家族がなくなるようにしてほしい」と訴えました。
近藤雄二天理大学非常勤講師が、3人の遺族の訴えから、過労死を防止するためには、労働者に自己管理を望むのではなく、企業が安全衛生の問題として休日の確保や「勤務間インターバル制度」の導入する必要があると説明しました。