2018年07月19日(木)
しんぶん赤旗奈良県ニュース 7月19日付け
糸が生み出す仏の世界
奈良国立博物館特別展に9国宝
奈良国立博物館では、綴織当麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)修理完成記念「糸のみほとけ」特別展が開かれています。(8月26日まで)
同展は、飛鳥時代から江戸時代にかけて制作された繍仏(しゅうぶつ・刺繍による仏像)や綴織による仏像の名品を一堂に会し、仏画とも違う、糸が生み出す仏の世界を展観しています。
国宝の「天寿国繍帳」(てんじゅこくしゅうちょう・中宮寺)」「綴織当麻曼荼羅」(当麻寺)「刺繍釈迦如来説法図」(ししゅうしゃかにょらいせっぽうず・奈良博)の三点や鎌倉時代以降に、追善のほか生前の供養に用いられたと考えられる故人の髪を繍いこむ技法(髪繍・はっしゅう)でつくられた阿弥陀来迎図など約138件(うち国宝9件、重要文化財32件)が展示されています。
同館の松本伸之館長は「様々な色糸や金糸、銀糸を用いて、織物や刺繍で仏様を表した、近年ではあまりない展覧会です。糸が生み出す奥深い表現力、輝きを鑑賞してください」とあいさつしました。