2018年06月29日(金)
しんぶん赤旗奈良県ニュース 6月25日付け
遺構と共存新庁舎
奈良文化財研究所は20日、新庁舎竣工記念式典を行いました。
松村恵司所長は、新庁舎建設工事着工前の発掘調査によって、平城京の条坊道路や秋篠川旧流路を埋め立てた遺構が発見されるなどの予期せぬ事態が発生し、新庁舎の建物位置や平面プランなどを大幅に変更、遺構の保存を図るために一から基本設計などをやり直したために、完成が2年遅れる結果になったと説明しました。
松村氏は「地下遺構と共存する奈文研らしい新庁舎になった」とのべ、「完成を一つの節目として、所員一同、心新たに調査研究業務に取り組んでいきたい」とあいさつしました。
文化庁の宮田亮平長官が祝辞をのべ、テープカットが行われました。
式後の内覧会で参加者は、新庁舎の4階東側の窓から見える、平城宮跡や大極殿、朱雀門の眺望を楽しみ、文化財収蔵庫や地下にある文化財用高エネルギーX線CT装置を見学。3階の南側の窓からは、発掘調査で確認した、一条南大路の路面や条坊側溝をタイルや玉石などで表現した敷地について説明を受けました。