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「奈良民報」提言
行政は安全でおいしい水を安く
安定的に供給できる「水道」を

  奈良県は昨年12月、県営水道と市町村水道を一体としてとらえ、「水源の適正利用」「設備投資の最適化」「業務の効率化」を目的とした「県域水道ビジョン」をまとめました。これに基づき、2010年に策定された10か年計画「奈良県営水道“ぷらん2019”」の見直し案が12月県議会に提案されます。「ビジョン」や「ぷらん」の具体化は、「奈良モデル」の一つとして検討が重ねられています。こうした計画が、県民の「安全でおいしい水を安く、安定的に提供を」の願いに応えているでしょうか。
 
 水需要の減少などで投資計画を下方修正 
 奈良県水道は、人口減少による水需要の減少や、老朽化する水道設備の更新や耐震化などの費用の増加、水道職員の退職等による技術力の低下などの課題をかかえています。「ぷらん」は、水道の規模を見直し、県営水道占有率の計画を当初の61%から56%に、設備投資額も285億円から224億円に下方修正しています。同時に、水道事業に困難をかかえる市町村に県営水道への転換を促しています。
 
 半数の県民が「料金値下げ」を期待
  県が実施したアンケートでは、7割以上の県民が「安全な水」を期待し、県民の4割、事業者の6割以上の人が「安い水」を求めています。自己水源を持っている19市町村へのアンケートでも、7市町村が県営水道の受水を「条件により増量する」と答え、条件として「料金値下げ」「新たなサ−ビス」と「自己施設の老朽化」をあげています。5市町村が「減量」、7市町村が「現状維持」と表明し、その理由に「水道料金」と「過去の投資の費用回収や新たな投資額」との比較によると回答しています。県は、2013年5月以降、料金を130円/?に10円値下げしましたが、今後の県営水道への転換には「料金値下げ」の具体化についての検討や提案が必要です。

 市町村の自主性を尊重した県営水道の運営を
 「奈良モデル」検討会では、2013年5月、大和平野部の「県営水道供給エリア」に自治体を対象とした「県域水道マネジメント懇話会」を設置し、「水道の一元化」を見据えた施設・業務の共同化を検討しています。
 業務の共同化では、営業と施設の維持管理の民間委託を視野に、検針と滞納整理(取り立て)業務を委託する計画です。施設の共同化は、県と市町村との垂直連携を図り、市町村の自己水の浄水場を廃止し、市町村水道の水源を県営水道に転換することを提案しています。 
 懇話会で県は、橿原市や王寺町など6市町村に設備の老朽化などを理由に、県営水道への全量転換を提案していますが、転換は自治体の自主性を尊重し、押し付けることではありません。

 「安全で安い水」の安定した供給へ、国の財政支援は不可欠
 「ビジョン」は、県営水道エリアでの提案のほか、五條市と吉野3町の水平連携による施設の「共同化」、簡易水道地域での事業管理の「一元化」、民間委託などの具体化を提案していますが、「共同化」などで各市町村の水道事業が縮小される場合でも、住民に「安全・安心」な水を供給することは必須条件です。
 県は「安全で安い水」を安定して供給するため、関係する市町村の自治権を尊重した十分な協議を尽くすことが必要です。同時に、県は国に「老朽施設の改良、更新」「導・送水管の耐震化」などに対する財政支援の拡充を求めるなかで、関係する市町村の自治権を尊重し、十分な協議のもと、ことが必要です。
 市町村の自己水(地下水や表流水)は、災害や事故などが起こった際のライフラインの確保として重要な役割を担っており、市町村が複数の水源を確保し受水することは、なにより県民に安心・安全な水を供給する不可欠な課題です。                               


「奈良民報」政治評論
若草山周辺は景観保全が原則

知事は「移動支援機能」計画中止の英断を

 荒井正吾知事は8月初めの定例記者会見で、若草山へのモノレール設置計画について、「バスの
運行案を中心に検討を進めるよう方向転換する」と表明しました。同時に「なぜ(構造物が)よくないのか、ダメな理由がわかれば計画を断念する」とも述べました。

 若草山周辺は奈良公園の「核心」地域

 奈良は、東大寺の廬舎那仏(大仏)に代表される華厳宗、玄奘三蔵が修得した仏教経典により開かれた法相宗など、仏教教理の研さんと国家の護持を祈願した「南都六
宗」が今日まで連綿と栄えてきた宗教都市です。奈良公園は、仏教、神道の寺社と若草山などの自然が優れた文化的景観を創りだしている核心地域です。
 若草山は、鹿の採食や山焼きで草原が維持され、隣接する春日山原始林との緑のコントラストが美しく、室町時代から「南都八景」の一つとして賞賛されてきました。近年でも、若草山は新緑の緑の山、山焼きの炎の赤い山、白雪かぶる白い山など「五色の山」と歌われています。春日山原始林は、都市にありながら照葉樹などの巨樹・巨木、寒地性植物群と亜熱帯植物群が共生する森林となっています。

 奈良公園は「こころのふるさと」

 奈良公園とその周辺では、宗教儀式や行事が盛んに行われ、市民の生活や精神のなかに「心のふるさと」として生き続けています。
若草山山頂にある鶯塚古墳からは船形埴輪が出土し、『続日本記』には、遣唐使が春日山麓で航海の安全を祈願したという記述が残されています。重要無形民俗文化財に指定されている「おん祭り」は、平安時代後期、飢饉や疫病から人々を助けるため、春日若宮が造営され、神を田楽・舞楽・大和舞などの芸能でもてなしたのが始まりです。
 室町時代、南都の人々が「雨乞い」を祈願するため、春日大社から興福寺南円堂まで燈籠をかかげ、火を神に献上したのが起源とされる「万燈籠」が受け継がれています。

「バス案」も景観壊し法的に許されない

 このように、この地域は、自然と文化が融合して1300年も保たれてきました。そこには多くの先人の努力がありました。こうした歴史の積み重ねのうえに、「文化財保護法」「古都保存法」などに指定され、「世界遺産」にも登録されました。
 それらの法律や世界遺産では、何かを付加するのでなく、現状を厳格に保護・管理・規制しています。たとえば、奈良市歴史的風土保存計画では「丘陵とその稜線における工作物の新築等、土地形質の変更、木竹の伐採等」を規制し、「森林美の保存」を求めています。
バス運行でも舗装やガードレール、標識などの設置が考えられます。バス運行は、鹿の移動経路をはじめ生態系や景観、若草山そのものへの影響が考えられます。こうしたことを考えれば、バスをはじめ「移動支援機能」の代替案も検討する余地はありません。

 知事は良識発揮し計画取りやめの英断を

 日本共産党県議団が取り組んでいる「くらしのアンケート」の回答でも、「もっと違った方法で奈良を世界にアピールするべき」(30代、男性)、「長崎グラバー邸が好きで何度も行ったが、グラバー邸までの坂道に『斜めに動くエレベータ』ができて、以前の良さが全くなくなってしまった。その後、行く気になれない。若草山も同じではないか」(60代、女性)などの意見が寄せられています。
 知事は、モノレールの「正当性」を示そうと、スイスのレーティシュ鉄道や石清水八幡宮(京都府)、宇佐神宮(大分県)のケーブルなどの例をあげていますが、どれも若草山の中に構造物を持ち込むものとは全く次元が異なる的外れなものばかりです。
 奈良県自身が作成した「奈良公園基本戦略」(2012年)でも、奈良公園の価値を「自然資源、歴史・文化資源、公園資源、及び各資源が融合した独特の風致景観」としています。移動支援機能の導入をめざすことは、この「独特の自然景観」を壊し、誘客の障害になるという矛盾を考えるべきです。バリアフリー化や「にぎわい」づくりは、全体の中で、市民とともに考えていくべきです。
 知事は、国でさえ否定せざるを得ない「若草山への移動支援機能の導入」取りやめを英断すべきです。
 


「奈良民報」提言
 問題多い「子ども・子育て新制度」

現行基準下回らない制度に

 安倍自公政権は、就学前の子どもの教育・保育のあり方を大きく変える「子ども・子育て支援新制度」の本格実施を来年4月から実施しようとしています。県内の市町村では、教育・保育施設や地域型保育事業に関する認可基準などを、条例で定める必要があり、そのためのパブリックコメント募集などの準備作業を進めています。
 県民からは、制度や事業の内容が「現行基準より下回るのでは」との声が相次いでいます。

保育の「サービス産業化」と増税と

 新制度の目的は、「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会」や「出産・子育て・女性の就労の希望がかなう社会」を実現するため、幼児期の学校教育・保育、放課後児童クラブなどの、地域の子ども・子育て支援事業を総合的に推進すると言っていました(新システムの基本制度案要綱)。しかし国は、これまでも保育所の民間委託・企業参入、保育の「サービス産業化」を進め、保育の公的な保障と責任を後退させてきました。
 2006年には、幼稚園と保育所の一体化を狙い「認定こども園制度」をスタートさせましたが、父母に受け入れられず、計画どおり進みませんでした。そのため2012年、自公民3党は、消費税増税を前提とした「税と社会保障の一体改革」の一つとして、「目的」とは真逆の新制度を強行したのです。新制度に必要な事業費約1兆1000億円のうち、約4000億円の財源の見通しがなく、しかも7000億円は、消費税を10%に引き上げての予算額です。「売り物」として打ち出した保育所の職員配置基準や保育士の給与改善など、「質の改善」を真っ先に削減する方向です。「待機児解消」を掲げる安倍内閣の責任がすでに問われはじめています。

子どもの命に関わる基準緩和

 40万人の受け皿で待機児童を解消できる保証はありません。待機児童とされるのは「認可保育所に申し込んでも入所できない児童」です。認可外にも20万人近い子どもが入所しており、潜在的な待機児童はもっと多いと指摘されています。
 さらに新制度は企業参入を促し、基準を緩めた小規模保育の活用をすすめて、公的保育を後退・解体させるもので「認可保育所に入りたい」の願いに応えていません。
 新たに地域型保育として、これまで公費負担の対象外だった認可外施設も対象になりますが、国が示しているのは人員基準のみです。面積基準や園庭、調理室などの基準は自治体まかせになります。人員基準でも、小規模保育所などでの有資格者が半数以上であればよく、保育士資格の規制緩和が行われます。保育基準を引き下げて「量的拡充」をはかることは本末転倒で、「子どもの命に関わる大問題」と保育団体などから反対の意見があがっています。

消費税増税以外の財源確保を

 子育て支援のための財源に消費税10%増税をあてにしているのはとんでもないことです。物価上昇と消費税8%で大変なのに、配偶者控除の廃止に消費税10%では、保護者の負担を増やすだけで子育て支援に逆行します。消費税以外の財源を国の責任できちんと確保することを要求します。
 保育士等の処遇改善、配置基準の適切な見直しを確実に行うことです。そのためにも、子育てにかかわる団体と市民が共同を広げて、子どもたちの豊かな成長を保障する施策の充実を図ることが求められています。


「奈良民報」提言

県民に莫大な負担を押し付ける
リニア誘致活動は中止せよ

 安倍内閣が閣議決定した骨太の方針「新成長戦略」で、「更なる都市の競争力の向上と、リニア中央新幹線などの高速交通ネットワークの早期整備・活用」を明記しました。
 県内では、「奈良県にリニア新幹線を!」の運動が展開され、新駅の誘致合戦も、「ど真ん中駅、大和郡山へ」、「一直線に、天平の都へ」、「生駒だからできる、東京−奈良を最速66分で」と活発です。リニアが県の発展に「夢」をもたらすのでしょうか。

 国で審議されてない 需給見通しや採算

 リニア誘致推進を目的に、県内33市町村長や県議などが「『奈良県にリニアを!』の会」を結成し、県商工会議所連合会などの経済団体も、全線が同時開業すれば、奈良・大阪・三重の3府県で、「年間1・5兆円、名古屋までの部分開業の効果と比較して1・7倍の経済効果がある」と宣伝しています。
 誘致のために組まれた2014年度予算は、奈良県500万円、奈良市1800万円、生駒市では
500万円の他にリニア試乗会費用として約50万円計上しています。
 しかし、肝心のリニアの需要見通しや採算性、環境への影響などについて、国会でのまともな審議が、「リニア建設はJR東海が行う民間の事業」だとして、行われていません。事業の実施の伴う環境への影響も、「トンネルの掘削で発生する残土の適正な処理、希少動植物の保護、大気汚染、騒音・振動対策など枚挙にいとまがない」(JR東海が国に提出した「環境影響評価書」に対する環境省の「意見書」)くらい、問題が山積しているのです。

 駅舎建設・運営にも莫大な県民負担

 リニアの建設費用9兆円も、当初JR東海が全額負担するとしていましたが、着工が近づくと、安倍首相は事業を「国家的プロジェクト」に格上げし、公的資金の投入を図ろうとしています。すでに来年度、JR東海への用地買収などにかかる支援(免税額)を184億円見込んでいます。
 JR東海がつくる「奈良市附近」駅には、切符売り場や待合室もありません。あるのはホームと階段・エスカレーター・エレベーター、改札口、トイレだけです。それ以外に必要な駅施設は地元負担が前提です。「建設費だけでなく、開業後の運営費も圧縮する」計画で、営業担当の駅員すら配置しません。駅のアクセス道路や駅前の開発など、関連する事業を含めれば、莫大な費用が国と地方に次々と押し付けられる仕組みとなっています。

 県の発展に寄与しない誘致計画

 リニア建設の狙いは、世界で一番ビジネスがしやすい都市づくりへ、「三大都市圏を高速で結ぶ」ことと、沿線地域での「三大都市圏とのアクセスの利便性向上」(交通政策審議会答申)と言いますが、本音は「日本の(大企業の)『稼ぐ力』を取り戻す」ことです(「新成長戦略」)。リニア誘致は、「もっと県内で働き、買い物してもらい、楽しんでもらいたい」という県の期待とは逆に、大都市圏への企業流出や県外消費が進む可能性があります。奈良観光も、県は「ゆっくりじっくりと楽しめる観光県」になると言いますが、リニアの駅ができたから観光客が増えるものではありません。
 県と市町村、経済団体は、県民や利用者に莫大な負担を押し付けかねないリニアの誘致活動を中止すべきです。
 


「奈良民報」提言

誰もが利用できる公共交通に
財源保障を国に求めるべきだ

都市部にも広がる「交通弱者」

 このほど開催された奈良県地域交通改善協議会(県および県内市町村、国交省近畿運輸局、交通事業者・関係団体が参加)で、赤字バス路線(25路線45系統)の方向性が協議され、10月から7路線10系統の廃止と、存続する路線でも減便や運行時間帯の変更が予定されることが決まりました。
 高齢者世帯、免許返納者など「移動制約者」「交通弱者」と言われる人々が、農山村、都市部にかかわらず増加する中、通院や買い物、通学など、移動手段の確保・維持・改善を図る公共交通ネットワークのあり方が問われています。

住民本位の運行「基準」設定を

 協議会では、バス路線の廃止、縮小(減便や車両の大きさ・運行時間の見直し)、経営主体の見直しなどを検討する「基準」を決めています。「基準」の1つは、1便当たり利用者数3人、平均乗車密度2人、最大乗車人員10人以下の「バスとしてのニーズは存在しない」路線です。2つは、収支率40%以下の路線など、「行政負担が多くなり、非効率」とみなされた路線です。
 この基準をもとに、路線ごとに改善案「バスカルテ」を作成し、「移動ニーズに応じた交通サービス」を提供する体制を、関係市町村と交通事業者などとの協議を経て決めています。この基準では、今後の高齢化、人口減少などの要因によっては、廃止される路線などがさらに増える悪循環に陥る可能性を持っています。

安全な交通利用は県民の基本的権利

 2006年に制定された「バリアフリー新法」は、誰もが自由かつ安全に移動・利用することは「国民の基本的権利」との考えに立っています。この立場に立てば、公共交通の維持・確保を「県・市町村や交通事業者まかせ」でなく、国としての保障が必要です。「奈良県交通基本戦略」(2011年)の基本方針にも、「安心して活き活きと暮らせる移動の利便性の確保」、「関係者の結集による持続可能な交通体系への転換」などが明記されています。国は、維持が必要とされた一定の広域的・幹線的路線について、国と都道府県で補助を行っていますが、交通弱者がどこに生活していても、最低限の公共交通サービスの提供を受ける環境を整備する責任を負っているのです。

住民の顔が見える交通政策の立案を

 県・市町村は、「生活に必要な路線」と判断した路線の運行を維持するために、交通事業者に応分の社会的責任を果たすことを求めると同時に、必要な安定的財源を確保することを国に要求すべきです。
 国は、「地域公共交通確保維持事業」などの国庫補助の要件や運用について、現行の補助率(2分の1)の引き上げなど、地域の実態を踏まえ、弾力的に対応することが求められています。
 県協議会では、これまでも路線バスの代替として、コミュニティバスやデマンドタクシーの運行などの事業計画策定を行っていますが、住民1人1人の生活実態から、「交通の確保」を図るいっそうの取り組みが必要だと言えます。
 


奈良民報「提言」 
若草山へのモノレールは断念し

歴史と文化を生かしたにぎわいづくりを


奈良の観光を代表する若草山の景観

 奈良公園は、世界遺産「古都奈良の文化財」に代表される数多くの文化財、史跡・名勝と原始林の自然環境が一体となった歴史的・文化的風致景観を作っています。この地域での「にぎわいづくり」をどのようにつくるのかをめぐって、若草山へのモノレール設置計画などが議論されています。はたしてそれで、名勝「奈良公園」の価値が生かされ、保全が図られるのでしょうか。
 奈良公園が世界に誇れることに、天然記念物「奈良の鹿シカ」と、東大寺の大仏がまずあげられます。
 特別天然記念物に指定されている春日山原始林は、都市にありながら照葉樹林などの巨樹・巨木、寒地性植物群と亜熱帯植物群が共生する植物相を持つ森林として評価されています。隣接する若草山は、鹿の採食や山焼きで草原が維持され、春日山原始林と合わせ、美しい遠望景観を形成しています。

国内法でも認められないモノレール設置

 県のモノレール設置計画が、文化財や世界遺産の価値を破壊しないのか、奈良観光の活性化につながるのか、心配する声や反対の意見が広がっています。
 この問題での国会質問に、文科大臣が「(文化財保護法により)設置は文化庁長官の許可が必要」と答え、文化庁も「慎重に検討し、名勝の保存に支障がないよう適切に対応する」と答えています。古都保存法で許認可権を持つ奈良市長も「明確に反対する」と市議会で答弁しています。奈良市歴史的風土保存計画は「春日山、御蓋山、若草山等の丘陵とその稜線における建築物その他の工作物の新築等、土地形質の変更、木竹の伐採等」を規制し、「森林美の保存」を求めています。古都保存法では、国や県に「古都における歴史的風土が適切に保存されるよう」その任務を定めています。
 こうした法律などを適正に執行しようとすれば、知事の「国内法をクリアすればいい」という主張は通用しません。電気自動車を走行させるなどの代替案の検討も認められないのです。

自然信仰・伝統が息づく青垣の山々

 奈良公園の若草山、春日山原始林とその周辺のでは、特定の自然の山や森を神格化しようとした神道や仏教とかかわった宗教儀式や行事が盛んに行われてきました。
 春日大社の縁起では768年、白鹿に乗った神が常陸の鹿島から御蓋山の頂に飛来したとされ、以来、神の山として信仰されてきました。重要無形民俗文化財に指定されている春日若宮の「おんまつり」では、田楽・猿楽(能楽)・舞楽などの芸能が奉納され、東大寺二月堂の修二会(お水取り)は1250年余の間一度も絶えることなく続けられてきました。このような「心のふるさと」の地域に、「にぎわいづくり」の構想を持ち込むこと自体が誤っています。 

「地域益」を優先した上質な観光の追求を

 商業主義的な利活用が進めば、奈良観光のオリジナリティが失われ、結果として地域の人々の生活とのかい離を生み出します。必要なのは、奈良の歴史的・文化的景観で観光客をもてなし、上質な時間を過ごしてもらえる回遊・滞在型の「にぎわいづくり」を構築し発信することです。
「地域益」の観点から行政と地域住民、商工業、観光業などの関係者が相互に連携し、観光客の世代グループごとの目的にあった地域づくりや店舗構成などを構想し、「経済的価値」と「文化的価値」の維持・向上、地域内経済循環を進めることです。


奈良民報「提言」
 県経済の活性化へ

「産業実態調査」を活かした中小企業振興を

 ある異業種交流会で、製造業の社長が「TPP(環太平洋連携協定)や消費税増税の影響から、自社が生産した商品の『価格』を、自らが決められない」と話し、電器店の経営者は「量販店の出店攻勢とポイント値引きなどの価格競争で、身近な商店がなくなりつつある」と訴えていました。海外からの輸入品の激増や、取引先の企業からの価格押しつけに、中小・零細企業の経営は困難を増しています。

 オリジナル商品生産・販売への支援を

 「経済センサス調査」(2012年)では、県内に4万6803カ所の事業所があり、43万192人が働いていますが、2009年の調査と比べ事業所数で7・2%、従業者数で4・9%減少しています。事業所の規模は零細で、従業員「1〜4人」の事業所が59・2%、「5〜9人」が20%で、10人未満の事業所が約8割を占めています。2013年の給与も、「5人以上の事業所」の現金給与総額が26万1524円で、昨年比0・3%減少しています。
 県が5000社の事業所(者)を対象に実施した「産業実態調査」では、県内51%の事業者が不況による市場の縮小で業績が低下したと答えています。市場競争が激しくなる中で、事業者は業績改善のための経営課題の1、2位に、「いかに『販売単価』や『売上高』を向上させるか」をあげています。
 県に求める支援として製造業者は、親会社や問屋からの下請け型の生産体質を改善し、消費者の嗜好(しこう)、ライフスタイルの変化、近年のトレンド(流行)である「ほんもの指向」に対応した自社のオリジナル商品を作り販売することのできる技術支援を、商業やサービス産業の事業者は販路拡大への支援を求めています。

 中小企業予算の大幅な拡充を

 県はこうした意見にどのように応えているのでしょうか。県は、産業・雇用振興部の課題として「新しい産業を創り、地域産業を延ばすための『ターゲットを絞った』支援、意欲のある企業・起業家への重点支援」を掲げています。
 ぜい弱な経済体質を「強靭化」するための「企業誘致の推進」に156億円などを予算化しながら、中小企業向けの予算は25億円にすぎません。そのうち、企業への融資や商工団体への補助金を除けば、企業を直接支援する補助金は2・9億円で、「漢方」などへの2億円を除けば、地場産業・企業への補助金は「付加価値獲得」、「国内外販路開拓」、「起業の促進」の3つの補助事業の合計金額はわずか9000万円です。
 県内消費を拡大しようと「プレミアム商品券」発行事業に4億円かけますが、需要を喚起する「『奈良ブランド』開発
支援」には400万円、「『県産材』使用住宅建設補助」2600万円、「奈良のみやげもの開発」には470万円の支援しかありません。
 「観光の振興」の予算93億円のうち、県営プール跡地へのホテル誘致や平城宮跡の利活用、奈良公園施設の魅力向上事業など不要・不急の大型事業が43億円占めています。その一方で、宿泊産業の育成・支援事業における、中小の旅館やホテルへの「奈良がんばるお宿応援事業」には1・2億円の支援です。

 産業振興総合センターの機能拡充で産業の「底上げ」を

 県経済を活性化させ、中小企業の不安の声に答え、企業を元気にする決め手は、安倍政権の「成長戦略」に追随し「優良企業育成」に的を絞った支援や、単なる工業団地形態による生産拠点整備事業ではありません。
 県がなすべきことは、中小企業を支援する予算を増やし、産業総合振興センターにおける技術・知識・情報のネットワークの形成、大学や研究機関など産・官・学の正常な連携を行い、これまでにない新しい産業・企業を応援する機能を持ったセンターの運営を図ることです。地域に広いすそ野を持ち、日常生活に欠かせない繊維・食品・木材などの衣食住関連の地場産業や福祉産業などへの支援で、産業の「底上げ」をはかることです。
 商業・サービス分野では、住環境と調和した「まちづくり」、伝統的街並みの保存・活用への助成、金融支援による魅力ある商店街振興で、県内での消費拡大に努めることです。中小・零細企業が着実に成果を上げることができれば、その存続は地場産業と地域の活性化につながります。


奈良民報「提言」 
道路は何のために作るのか

県の「道路整備基本計画」立案は
 県民の安全と暮らしを第1に考えて

 奈良県は、昨年施行された「奈良県道路の整備に関する条例」をもとに、今後の「道路整備基本計画」を6月議会に議案として提出する予定です。

 目的の第1が高規格幹線道路網整備とは

 どのような道路を、何のために作るのでしょうか。計画では「企業立地を支援する道路整備」を目的の第1にあげ、京奈和自動車道など「高規格幹線道路ネットワークの形成」を掲げています。これは知事が県政上の1番の課題と位置付ける「県の経済体質の強靭化」「企業が安心して活
動ができる環境づくり」の中心的事業であり、安倍自公政権の「成長戦略」と同じ方向です。第2の目的が「観光の振興」で、第3、第4に「生活利便の向上」「安全・安心を支える道路」と続いています。
これでは、道路法第一条に規定された道路網整備の目的「交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進させること」がないがしろにされ、県民生活の利便性の向上、安全・安心を二の次に追いやり、企業の利益を優先した計画になってしまう恐れがあります。

 国の事業だけでも県民は莫大な負担増に

 道路整備は「事業評価を重視した選択と集中」「市町村との連携・協働」によって、優先順位が付けられ進められます。
京奈和自動車道の早期供用について知事は、「県の南北軸を形成し、企業立地の促進、観光振興をはじめ商業・産業の活性化を担う重要な道路」であり、「災害時には、救援ルートの分断を防ぐ紀伊半島アンカールートの一翼を担う」とコメントしています(4月25日)。それに連動して御所インターチェンジ周辺での産業用地の造成が進められています。
 しかし、建設に伴い県の負担も増加します。京奈和道大和北道路や168号線五條新宮道路など、残された国の直轄事業の事業費は約2340億円となり、毎年約300億円の確保が必要となります。県は今年度の負担分の146億円を2014年度予算で計上しました。
 京奈和道大和北道路(奈良市八条町〜大和郡山市間6・3銑叩坊設が、国道24号線の渋滞を解消する目的で850億円投入して進められています。しかし、その効果はわずか2分の時間短縮しかありません。これを中止すれば205億円の県負担が解消できます。この他、平城宮跡付近を通過する「大和北トンネル」(事業費2250億円、うち県負担550億円)の計画は、県の負担が大きすぎるとして今は予算要求していません。これはきっぱりと断念すべきです。

 人口減少、高齢化で交通手段確保は切実

 道路の社会的役割は、人口減、中山間地の過疎化の進行や、地域社会の高齢化などにより大きく変化してきています。県内人口139万人が2020年には133万人、2040年には110万人に減少し、高齢化率も25・5%が38・1%にまで上昇すると予測されています(国立社会保障・人口問題研究所、内閣府調査)。高齢を理由に運転免許証を返納し、車に乗らない人も相次いでおり、警察も返納を奨励しています。
 いま求められている道路整備は、新規の道路建設より、高度成長期のときに建設され老朽化が進み改修時期を迎えている道路、橋梁(きょうりょう)、トンネル、歩道、安全施設などの維持・補修を優先した事業です。
 高齢化率がすでに32%になる県東南部の中山間地域では、買い物や通院などに不可欠な公共交通の整備、災害時に幹線道路へのう回路の役割が果たせる網の目のような生活道路の確保が必要です。同時に、国道168、169号線など幹線道路では、折立橋が落橋した紀伊半島大水害の教訓から、雨の降り始めからの総雨量1500世泙蚤僂┐襪海箸里任る路盤の改良・補修工事を急ぐことです。
 高規格道路偏重、企業の利益優先の「道路整備基本計画」でなく、住民の移動手段を確保し、切実な県民の願いに応える計画の提案を求めます。


奈良民報「提言」
 憲法や地方自治をゆがめる 「奈良モデル」構築を中止せよ

 県が進める「奈良モデル」というのをご存知でしょうか。
 安倍自公政権は地方分権といいながら、地方自治の精神に逆行し、地方への財政支出の大幅な削減、社会保障などの最低基準の見直しなどで、地方への不十分な財源措置をいっそう弱めています。このため、県の借金(県債)残高が1兆円を超え、市町村も財政的な困難をかかえています。
 こうした状況に知事は、困っている市町村を「助ける」と言い、県が主催する「奈良県・市町村長サミット」で「県と市町村の役割分担のあり方」を協議し、見直しが必要とされた業務を整理し、自治体運営の「効率化」、「最適化」を「リード」してきました。こうした知事の手法が「奈良モデル」とよばれています。

 自治体「リストラ」で住民サービス低下

 「サミット」での報告では、昨年の成果として「消防の広域化」をあげ、「消防署員の63人の削減と、市町村の負担額23億円の軽減」を誇示しました。しかし、県民が望んでいるのはむしろ、地域の実情に見合った消防職員の配置、消防機材・機能の高度化による命と財産を守ることではないでしょうか。
 継続課題とされたテーマ「市町村税の徴収強化」では、サラ金の「取立て屋」同然の「滞納整理強化チーム」を県と市町村共同で編成し、目標を持った「徴収率のアップ」で住民に圧力をかけることを指導しています。
 ほかにも「水道事業の統合・共同化」についても、水道事業の将来、公的責任が果たせるのか危ぐされます。また、2017年には国民健康保険を統合し、「県全体での保険料統一」を実行する予定で、保険料の引き上げにつながります。

 地方交付税を元に戻し住民福祉の向上を

 このような手法や議論は、憲法の定める「地方自治の本旨」をゆがめています。住民自治の根幹は、「住民が主人公」の原点を貫き、住民の声を行政や議会に反映させ、自らの市町村のかたち、住民にとってのまちづくりを決めることです。「サミット」には、行政上の決定権は何もなく、県議会や市町村議会に代わりうるものではありません。
 また、財政難を理由に「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)という自治体の基本的な使命からそれ、住民の生存権が十分には保障されないものになっています。自治体の「リストラ」「スリム化」などで、市町村を「助ける」という知事のミスリードを許してはなりません。
 自治体の財政を確保するには、首長と議会が、自民党政権が地方から削減した地方交付税を元に戻すことと、交付税の配分率の引き上げを要求することです。地方交付税は、どの自治体も標準的なサービスを保障するための財源なのです。

 日本共産党の前進で住民本位の地方自治を

 「サミット」は、行政改革でがんばる市町村を表彰する制度を設けるなど、実質的に知事の市町村(長)支配の場、自民党県政を補完する場になっています。
いま求められているのは、「地方自治の本旨」に立ち戻った自治体運営です。「サミット」での「奈良モデル」事業構築を中止し、住民の声を反映する自治体を作るうえで、最も確かな保障となるのは、自民党政治、オール与党県政と対決する日本共産党を前進させることではないでしょうか。


奈良民報「提言」 
暴走政治とたたかう国民と連帯して

労働法制の全面改悪をやめさせよう

 安倍自公政権の暴走はとどまるところを知らず、消費税増税、医療・介護・年金など社会保障制度の改悪に続き、今回、国会に「正社員ゼロ」社会に道を開く「労働者派遣法」の改悪案を提出しました。
 暮らしを壊し、地域経済の衰退が危惧されるなか、「首相官邸」のホームページには「アベノミクス、成果続々!」「近年まれに見る給料アップ」「失業なき労働移動で、全員参加型の社会を」などの見出しが躍っています。一体だれのための「成果」なのでしょうか。

 

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